【BL】お前を抱きたい



課長はそう言うと、忙しそうに部屋を出ていった。



「……っ」



"高宮"さんと呼ばれた人の方を見ると、彼も俺を見ていた為か、目があった。



「これから宜しくお願いします」



俺は急いで頭を下げた。



「…あぁ」



彼は短い返事をした後、俺に背を向けた。



"高宮"さん―。
彼の話は入社する前から聞いた事がある。

何しろ成績優秀で、バリバリ仕事が出来る上に、爽やか系イケメンだ、と。

社内の女性は皆、高宮さんの事を憧れや恋愛対象として好きだと騒いでいる。





…俺なんかに高宮さんの相棒が勤まるかな…





俺の頭の中は、その事だけがずっと駆け巡っていた。


< 2 / 102 >

この作品をシェア

pagetop