【BL】お前を抱きたい
「…高宮さん?どうかしたんですか?」
俺はドアを開けたまま何も喋らない彼に話し掛けた。
彼は一呼吸おいてから、
「…佐々木、今日は泊まっていけ」
俺からしてみれば夢のような事を言ってきた。
……高宮さんからのお誘い…
ここであっさり「泊まる」とは言ってはいけない。
軽い男に見えるから。
なので俺は少し言葉を濁す事にした。
「…有り難うございます。…でも、せっかくのお誘いですが今日はこれで帰らせて頂きます」
高宮さんは少し、戸惑ったような表情を浮かべ、
「…だが、こんな時間にお前を帰す訳にはいかねぇ。…とにかく来いっ」
俺の腕を引っ張り、俺の身体をタクシーから出した。