【BL】お前を抱きたい



「抵抗したらキスするって言ったら抵抗するのを止めるのかよ…」



苛立ったような口調で、そして少し寂しそうに言った。



「……っ、そんなこと…」


「…やっぱり俺だけだったんだな。…俺だけ片思いをしてるんだな。昔も…今でさえも…」



俺の言葉を遮るように、悲しみに満ちた声で高宮さんは呟いた。





………違う
俺だって高宮さんの事……





「……んで?何でそんな事言うんですか?」



何時の間にか俺の口調は強まり、彼に向けて言葉の矢を放っていた。


彼は俺を抱き抱えたまま、



「…タクシーを降りる時もそうだった。今さっきキスしようとした時も…。まるで俺の事を避けてるかのような言動を…」



今まで彼が抱えていたのであろう心の中に潜む悲しみの塊を全て吐き出した。



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