【BL】お前を抱きたい
「…あのっ、高宮さんっ…」
「泣かれるのは困る。…好きなヤツの泣き顔なんて見たくねぇ…」
俺が彼の袖を軽く摘まみながら言うと、彼は悲しそうな顔をしながら言ってきた。
――高宮さん…
俺はその言葉を貰った嬉しさのあまり、心に張り詰めていた糸が緩んだ。
―トンッ
「………っ!」
俺が彼の胸の中に顔を埋めると、彼の顔は一気に紅潮した。
「なっ…!佐々木っ」
おどおどする彼がたまらなく可愛い。
俺はその体勢のまま高宮さんを急かす。
「…早く帰りましょう?」
彼は一度俺の目を見た後、
「それ相当の覚悟が出来てるようだな」
と言って、部屋の鍵を開けた。