【BL】お前を抱きたい
「…はい。…ですが、高宮さんが全然帰って来なかったので、心配で…」
…言い訳だ。
こんなの言い訳の1つに過ぎない。
「…そうか」
高宮さんはため息混じりに言い捨て、部署の方へと歩いて行った。
俺もそれに続き、走って彼の後を追いかけた。
「お疲れ様でした~」
午後9時を回った頃、部署内にはすっかり人気が無くなり、時間が過ぎていくにつれ、益々人が帰宅していった。
午後11時を過ぎた頃には、部署内には俺と高宮さんの2人のみしか居なくなった。
俺は仕事にキリがついたので、帰り支度を始めたが、高宮さんはパソコンに向かったまま、支度をする気配すらない。
「…高宮さん、まだ帰らないんですか?」