【BL】お前を抱きたい
俺は必死になって高宮さんの手を掴んで止めた。
高宮さんは暫く俺の顔を見ていたが、奇妙な物体に目を移し、
「大丈夫だ。美味かった」
笑顔を向けてきた。
「………っ!」
…何でだよ
「何でそんな事言うんですか…。何で…」
自然と涙が溢れてきた。
――と、
俺の身体を彼が優しく包む。
「……っ」
声が出せない…
彼は優しく耳許で囁いた。
「…俺は佐々木が作ってくれた物なら何でも食べる。佐々木が俺に向けて贈ってくれた気持ちなんだから。…俺は佐々木の全てを受け止めるから…」
……涙が止まらなかった。
高宮さんがこんなにも俺の事を大事にしてくれていたなんて――