【BL】お前を抱きたい
俺はテレビの電源は付けたまま、飲みかけのビール缶をテーブルの上に置き、バスルームへと向かおうとした。
その瞬間、ソファーの上に置いてあった携帯から着信音が鳴った。
「……こんな時間に誰だ?」
俺が携帯を手に取ると、
「……高宮さんっ!?」
画面には高宮さんの名前が。
俺は急いで電話に出た。
「もしもし、佐々木です。…こんな時間にどうしたんですか?」
俺が尋ねると、高宮さんは少し間を置き、
「……家に来てもらいたい」
と元気なさげな声で言った。
俺は即答した。
「判りました。直ぐに向かいますっ」
高宮さんは、それを聞き安心したのか、電話の向こうで少し笑みをこぼしたような感じがした。