【BL】お前を抱きたい
目の前には乾ききっていない赤い液体がリビングへと続いていた。
「………た、高宮さんっ!」
俺は衝動に駆られ、リビングへと全速力で走って行った。
そこには、ベッドに仰向けに寝そべる高宮さんの姿。
…そしてベッドまで続く赤い液体。
液体はベッドの一部をも赤く染めていた。
「嫌ですっ!何してるんですかっ!高宮さんっ!」
俺は寝転んだまま苦しそうにしている高宮さんの頬に手を当てながら叫んだ。
傷口は首元だった。
幸い浅い傷だったため、命に別状はなさそうだ。
とはいえ、この血液の量だ。
放っておけば、それこそ命に危機が及ぶだろう。
「救急車っ、救急車呼びますね!」
俺は焦りに震える手で携帯を開いた。
…と、高宮さんの手がゆっくりと俺の手に触れる。
「………っ!?」