【BL】お前を抱きたい



「食材が少ないな…。…スクランブルエッグとハム、コンソメスープとグレープフルーツ辺りで良いか?」



彼は冷蔵庫を開けて、俺にそう訊ねてきた。

彼が作ってくれるのなら、何だって良い。



「それだけあれば充分ですよ。…あ、今日仕事帰りにスーパーでも寄ってきましょうか?」



俺は掛け布団を畳み直しながら彼に言った。

彼は苦笑し、



「…まさかお前、今日俺が出社しないとでも思ってるのか?」



と聞いてきた。





………え、何で判ったんですか?





俺がそう訊く前に、



「"寄ってきましょうか"っておかしいだろ。普通"寄りましょうか"だろ」



彼は、「まぁ、傷口も浅いし、出社くらいするよ」と言い、微笑んだ。


高宮さんと居ると楽しい。

本当に安心する。



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