【BL】お前を抱きたい
同居
「佐々木、これは?」
「ダメです。予算オーバーですよ。…もう少しちゃんと計算してから篭に入れて下さい…」
夜8時を少し過ぎた頃――
俺たちは高宮さんの冷蔵庫の中身があまりにもお粗末だったため、スーパーで買いだめをしていた。
「じゃあ今日の夕食はシチューだけだな」
高宮さんはニンジンを手に取って言った。
「…まぁ俺は高宮さんが作ってくださるのなら何でも良いですけど…」
俺が何気なくそう呟くと…
「………っ!?」
急に背中が重たくなった。
「ちょっ…、高宮さんっ!何やってるんですか!公共の場ですよ!?」
俺が静かに叫ぶと、彼は
「そう言いながらも内心嬉しがってるように見えるのは俺だけか?」
と耳元で囁いてきた。
「……っ!!」
これには返す言葉が無い。