【BL】お前を抱きたい
俺が暫く無言でいると、彼はそっと俺から離れた。
「…あっ」
自然に漏れてしまった声を、彼は聞き逃すはずがない。
再び俺の傍に寄って来て、耳元で、
「安心しろ。今夜は可愛がってやるから」
と、微かな笑みを含んだ声で囁いた。
「…………っ!」
顔を紅潮させた俺を見て、彼はただただ微笑み続けた。
「…い、いただきます」
「…ん、どうぞ」
夜9時30分を過ぎた頃――
俺と高宮さんは夕食を食べていた。
……って言っても食事もろくに喉を通れない状況なんだけど…
「佐々木、顔真っ赤だよ?何かあったのか?」
「なっ、何って…。とっ、取り敢えず口移しだけは止めて下さいっ!」
俺は高宮さんに抱かれながら口移しで食事をしている。