【BL】お前を抱きたい



口ごもった。



「絶対何かありましたよね?…隠し事でもしてるんですか?」



咄嗟に出た言葉がそれだった為、俺は「しまった」と思い、慌てて口を押さえた。


彼は少し無言だったが、重々しく口を開いた。



「……お前、俺に黙って彼女作ったのか?」


「…………え?」



彼の目は真剣だった。

俺にはそんな心当たりはない。



「何が言いたいんですか…?俺が好きなのは貴方だけなのに…」


「じゃあ」



俺の言葉を遮るように彼の言葉が次いだ。



「…じゃあ、これはどういう意味なんだ…?」



彼は胸ポケットからスマホを取り出し、誰から来たのかよく判らないメールを見せてきた。


スマホを手に取って見てみると、そこには――




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