【BL】お前を抱きたい
倒れた俺の上から何かが優しく包む感じがした。
……高宮さん
――と、俺の背中を何やら流れる物の気配に気付いた。
「…うっ、うっ」
「…高宮さん?」
それが高宮さんの流した涙だと気付き、俺はどうしたら良いのかが判らなくなってしまった。
「……高宮さん、泣かないで下さい。本当に誤解なんです。…彼女は高校時代の同級生で……」
俺は誤解を解くために、夕霧さんと俺の関係を洗いざらい全て話した。
高宮さんは納得したのかしてないのか、泣き止んでくれた。
「…ねぇ、笑って?」
俺が高宮さんの頭を優しく撫でると、彼の身体が小刻みに震えているのが判った。
暫くの沈黙の後、
「……明後日の為に準備してくる」
そう言って、高宮さんは奥の部屋へと入っていった。