ニセカレ


私、篠山くんのこと好きになってしまったんだ…
と思いながら顔を上げられずにいると篠山くんは

「なんだよ、それ。
お前勝手なやつだな。

使うだけ使って捨てるんだ。」

と冷たい言葉を放つ。

ぐさっと心に棘が何本も刺さって来るような感じ。

でも、篠山くんは会社の身内の人間。
私みたいな一般庶民には不釣り合いだからちょうどいい。


「じゃあな、お前もやっぱり同じだな。

信じた俺が馬鹿だった。」

といって机に一枚のお札を置いてその場を去っていった。


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