私達の狂った歯車
目を開けると、見覚えのある天井が目に入る。
トントン
ノックが部屋に鳴り響く。

「はい」
私は身体を起こしながら返事をすると、すぐに私の専属執事の咲と、S・Aメンバーが入って来た。
「依恋っ!大丈夫?いきなり倒れたんやお!?凄い息が苦しそうやったんやお!?」
「依恋!俺だ俺!!宙だ!」
「大丈夫!?熱が昨日からあるんだって!?」
部屋に入ってくるや否、姫莉、宙、麗王がいきなり、そう心配してくれる。

いや、心配してくれるのは嬉しいけど
「心配し過ぎ!大丈夫だって、ホラ!?」
私はそうやって、元気そうに振る舞う。

だけど、気付かれているかもれない。
これは空元気だ。
本当は身体が凄く重いし、怠い。
頭もふらふらしていて、考える事が出来ないくらい、ぼーとしている。
おまけに身体中が熱い。

「何か欲しい物とか、して欲しい事ある?」
希がそう聞いて来た。
「・・・じゃあ、移したくないから帰って、欲しい」
これは本音だ。
誰にも移したくない。
辛い思いをさせたくない。

「じゃ、じゃあ俺ら帰るけど・・・。マジで大丈夫?」
希が渋々そう言った。
「うぃっす!」
私は返事をして身体を倒す。
それを見てみんなは心配の表情だけをし、何も言わずに部屋を出て行く。
ただ一人を除いて。
「じゃあね!?Myエンジェル!」
「お、おう?」
姫莉私を一度抱き締め、部屋を出て行く。

みんな帰って私は叶夜と二人になった。
なぜ帰らない。
あ、同じ家だった!
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