私達の狂った歯車
私と姫莉がトイレで喋っていると、ある事を耳にした。
それは廊下からだった。

「アンナ、上手くいったね!」
「そうね、でも靴はどうしたの?S・Aの靴って高いと聞いたけれど」
「靴?燃やしたよ。今頃灰になってるかも!」
ミカとアンナの甲高い声が響く。
「ミカ!声大き過ぎ!!」
「大丈夫大丈夫、写真は全部掲示板に貼ったよ」
「キャハハ!ミカ笑わせないでよ!!キャハハハハハ!」

甲高い笑い声が廊下に響く。
「・・・今のって、ミカとアンナやおね?」
「誰?」
「依恋ってS・A以外の事何も知らんのやな。行くよ!」
「あ、待って!」
姫莉に続いてミカとアンナの前に出た。

「依恋に嫌がらせしたのアンタらやろ!?」
姫莉が二人を怒鳴りつけた。
「え、何の話?」
「あたくし達を疑ってらっしゃるんですか?」
でも二人はとぼける。

「何の話って・・・。依恋も何か言ったって!」
「私、何かした?何もしないよね・・・?何でこんな事するの?」

「そうね。しいて言えば、あなたが嫌いだから?」
アンナがそう言い、ミカは笑い出す。

「そっか、ならこれ、ばら撒いていい?」
姫莉がペンの様なものを取り出した。
ピッ
「『・・・はどうしたの?S・Aの靴って高いと聞いたけれど』『靴?燃やしたよ。今頃灰になってるかもね』『ミカ!声大き過ぎ!!』『大丈夫大丈夫、写真は全部掲示板に貼ったよ』『キャハハ!ミカ笑わせないでよ!!キャハハハハハ!』」

2人は黙ったので、姫莉はニコッと微笑んだ。
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