私達の狂った歯車
「ねえ」
叶夜がいきなり現れた。
「え・・・、佐田くん?」
「どう言う事?説明して」
叶夜、瞳が笑ってないよ?
怖いよ。
「あたくし達、何も知らない!ね?」
アンナが誤魔化してミカを見た。
「誤魔化してもムダ。次やったら殺すからな?」
叶夜は二人を睨んだ。
「っゴ、ゴメンなさい・・・!」
「ちょ、ミカ?」
「お前ら何で、依恋に嫌がらせしたんだ?」
「依恋はアンタらに何かした?しとらんくね?」
うん。
私、何もしてない。
なのに、何でこんな事されなきゃいけないの?
アンナの瞳が潤み、ゆっくりと口を開く。
「あたくしはただ、佐田君の事が好きでっ!!!だけどコイツが邪魔で仕方なかった!ましてや、家族になるなんて・・・、耐えきれなかったの!!!!」
アンナは泣きながらそう叫んだ。
私はそれだけの事でこんな事をされたの?

「くだらない、そんな理由で依恋を?だから女は嫌い。人を貴重品みたいに・・・。もう二度と近づくな。二人共行くよ」
私達は叶夜の後を着いていく。

その時姫莉がこっそり耳打ちしてきた。
「叶夜、依恋の為に怒っとるやん」
「・・・うん」

その後、ミカとアンナの二人は停学処分になった。
いや、その日停学者は三人だった。
希、宙、麗王が写真を撮った人を見つけたからだ。
その3人を可哀想だと、少し思った。
< 18 / 61 >

この作品をシェア

pagetop