私達の狂った歯車
姫莉は少し黙っていたが、顔を輝かせた。
「じゃあ、うち告ってまってええん?」
駄目に決まってる!
叶夜は私のモノなんだから。
「何で私に聞くの?別にいいよ、姫莉の好きな様にすれば」
嘘。
叶夜に近づかないで。
何もしないで。
「マジで?ありがとう!」
うるさい。
耳触りだ。
アンタなんかと叶夜は付き合わない。
アンタは叶夜に釣り合わない。

昔から、その高いテンション。
あの人と同じ杏色の髪。
被ることばかり。
本気で嫌。

「ううん。姫莉が幸せなのが一番だよ?」
アンタの幸せなんてどうでもいい。
「ありがとう!!今から告って来るわ!」
絶対に振られる。
「頑張って、両思いだといいね」
振られればいいのに。
姫莉はあの人の生き写しの様に似ている。
だから嫌なんだ。
姫莉は姫莉なのに、私の大好きなあの人に似ているから、重ねてしまう。
大好きなあの人のに、大嫌いな友達を。
嫌なほど。
自分でも嫌になるほど。
重ねてしまう・・・。
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