私達の狂った歯車
★姫莉side★

正直嬉しかった。
だって依恋がライバルなんて、敵うわけないやん・・・。

依恋はいつも優しい。
うちだけや無くて、全ての人に・・・。
やから、やからこそ心配になるんや。
いつも笑顔やけど、本当に笑っとる感じがしんくて・・・。
怖かった。
ずっと、凄く怖いんや。
心配になるんや。

さっきもそうやった。
赤のメッシュが入った黒髪を揺らしながら、不敵に微笑んだ依恋の姿は、とても綺麗で、見惚れる事しか出来へんかった。
出会った頃から、依恋が依恋やみたいで・・・。
怖い。
やけどあの綺麗な赤い瞳で、あの整った綺麗な顔で、微笑み掛けられてまったら操られた様に、どんな事でも忘れられる。

うちはうちが思っている以上に依恋の事を知らへん。
やから、依恋の事を全て知っとる希が羨ましい。
希が依恋の全てを知っとる。

そんなのズルイやん。
うちにも教えてよ!
依恋ばかりうちの事知っとる。
ズルイ。
うちら親友やろ?
教えてよ!

貴女の事をうちに全て教えて。
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