私達の狂った歯車
★希side★

「ねえ」
姫莉が去ってから依恋が呟いた。
「何?」
「姫莉、何で告るわけ?よりによって何で叶夜なの?」
依恋は俺を睨みながらそう言った。
「・・・だな」
「やっぱり姫莉、あの人に似てる」
「性格は最悪だけどな」
「うん。何でここにいられるのか考えて欲しい」

姫莉がここにいる事が出来るのは、依恋のお陰だ。
ただ依恋と・・・。
薙切の人間と友達だという事だけで・・・。
きっと姫莉は依恋のお陰で、この学園に入る事が出来たなんて事、知らないだろう。
だからこんなにもS・Aに対して図々しいのだ。

すると依恋は微笑んだ。
「あの人はいないのに、何で姫莉は生きてるの?」

その依恋に俺が、ゾクッとしたのは誰にも言ってはいけない。
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