私達の狂った歯車
私達S・Aは近所だ。
2人で並んで歩いている時、私達は何故か、無言だった。
重い空気が漂っていた。

「ねえ、土曜日、用事?」
「え?」
「いや、何も」
叶夜は気まずそうに目を逸らした。
「うん、用事だよ」
「そ」
「叶夜は何があるの?」
重く、気まずい空気が嫌だったので、私は明るく聞いてみた。
「えっと、父親と用事?」
叶夜は考えながらそう言った。
「そっか」
「ん」

それっきり私達は何も話さなかった。
何も話せなかった。
いくら仲が良いっていったって言えないよ。
親が再婚するだなんて・・・。
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