私達の狂った歯車
天井にはキラキラと光るシャンデリアが吊るされ、壁一面に立派な彫像や見事な絵画が飾られている。
華やかな絨毯が敷かれた上には、白く長い机が置かれている。

「遅い」
再婚相手を待って10分。
全然来ない。
「あ、来たわよ」
母の言葉で、私は立ち上がり婚約者の息子を見る。

「な、何で?何で叶夜がいるの⁉」
「お前こそ何で此処に?」
「いや・・・?」
え、待って待って。
私の母親の再婚相手は叶夜の父親、って事、なの・・・?

「あら、そう言えば2人は幼馴染みだったわね?」
「はい。今も依恋とは同じクラスです」
叶夜は落ち着いた声でそう言った。
それを聞いた母の顔が微笑んむ。
「そう、偶然ね。依恋、新しいお父様にご挨拶なさい」
「薙切依恋です。これからよろしくお願いします」
私は言われた通り挨拶する。
「いやいや、こちらこそ。ほら、叶夜も挨拶」
「・・・お願いします」

私と叶夜はいつも、一緒に騒いだりして何だかんだ仲が良いんだけど、その叶夜と兄妹に?
有り得ない。
私、叶夜と上手くやって行けるかな?
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