私達の狂った歯車
★叶夜side★
手を差し出し、姫莉を立ち上がらせる。
「うん。でも、うちなんかが叶夜の彼女になっていいん?」
ああ、桜花のアイツに、無理矢理暗記させられた甲斐があった。
確かこういう時は、ホスト育成ノート3ページ目の、『ネガティブな女を虜にする方法』だ。
『私なんてどうせー』と、ネガティブな発言をしたら、
「“なんか”じゃない。姫莉“だから”良い」
すると、姫莉は恥ずかしそうに目をそらす。
「本当に?本当にうちでいいん?」
面倒くさい。
マリアはもっと、はっきりとした性格だった。
凄く女々しい。
いや、こんな事を考えている俺の方が、よっぽど女々しい。
『本当に私でいいの?』と言われたら、『お前じゃ無いとダメ』みたいな、自分なりの甘い言葉を。
そして、抱きしめる。
これもホスト育成ノート3ページ目だ。
少しアレンジしてぶつけてみる事にする。
「俺は姫莉がいい。他の誰かじゃ、ダメ。姫莉じゃないと嫌」
そう言って、俺は姫莉の背中に手を回し、優しく抱き締める。
姫莉から柑橘類の香りがした。
ああ、似てる。
でも違う。
マリアと似てるけど違う柑橘類の香りだ。
「本当?・・・ありがと」
姫莉は微笑む。
そして、思い出す様に叫んで俺から離れる。
「あ!依恋達に報告しんと!」
依恋達に報告?
「何で?」
「依恋と希に、叶夜の事で相談しとったんやて。やから・・・。」
「そ。じゃあ、行こ。」
俺は温室に向かって歩き出す。
雨が降ってきたので、少し小走りで温室に向かう。
その雨はまるで今の俺の心の様だ。
手を差し出し、姫莉を立ち上がらせる。
「うん。でも、うちなんかが叶夜の彼女になっていいん?」
ああ、桜花のアイツに、無理矢理暗記させられた甲斐があった。
確かこういう時は、ホスト育成ノート3ページ目の、『ネガティブな女を虜にする方法』だ。
『私なんてどうせー』と、ネガティブな発言をしたら、
「“なんか”じゃない。姫莉“だから”良い」
すると、姫莉は恥ずかしそうに目をそらす。
「本当に?本当にうちでいいん?」
面倒くさい。
マリアはもっと、はっきりとした性格だった。
凄く女々しい。
いや、こんな事を考えている俺の方が、よっぽど女々しい。
『本当に私でいいの?』と言われたら、『お前じゃ無いとダメ』みたいな、自分なりの甘い言葉を。
そして、抱きしめる。
これもホスト育成ノート3ページ目だ。
少しアレンジしてぶつけてみる事にする。
「俺は姫莉がいい。他の誰かじゃ、ダメ。姫莉じゃないと嫌」
そう言って、俺は姫莉の背中に手を回し、優しく抱き締める。
姫莉から柑橘類の香りがした。
ああ、似てる。
でも違う。
マリアと似てるけど違う柑橘類の香りだ。
「本当?・・・ありがと」
姫莉は微笑む。
そして、思い出す様に叫んで俺から離れる。
「あ!依恋達に報告しんと!」
依恋達に報告?
「何で?」
「依恋と希に、叶夜の事で相談しとったんやて。やから・・・。」
「そ。じゃあ、行こ。」
俺は温室に向かって歩き出す。
雨が降ってきたので、少し小走りで温室に向かう。
その雨はまるで今の俺の心の様だ。