私達の狂った歯車
★叶夜side★

「・・・顔、だけ。所詮お前逹は姫莉の顔が好き。顔だけでも良いからと、マリアの代わりにしている」
だが、俺は違う。
俺はそれだけじゃ足り無い。
顔だけのマリアじゃダメ。

依恋とマリア。
俺の好きになる人は何時だって、俺の事を好きにはなってくれない。
俺は何時だって、好きになってはいけない人を好きになる。
でも今回は違う。
相手が俺の事を好き。
しかも、マリアと同じ顔。
こんな良い話他にない。

俺が姫莉をどう思おうと関係無い。
俺はただ至高の少女に仕上げるだけ。
至高最高の美少女に。

髪も、もっと・・・。
肌も少し荒れている。
瞳もより美しく見せる事が出来る。
立ち方、歩き方、座り方、全てを直す必要がある。
そうすれば、内に秘めた美しさが出て来る。
姫莉はダイヤモンドの原石だ。
磨けば磨く程、より美しくなる。
全てを直し、全てを磨き、マリアに近付かせる。
より、マリアに似せる。
俺は姫莉をマリアの代わりで無く、マリアにする。
マリアを蘇らせる。
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