私達の狂った歯車
その日、私達は両親が新婚旅行に出かけていていないので、コンビニで夕食の買い出しをしに出かけていた。

「何が新婚旅行だよ」
ふと思い、それを言葉にした。
「うん、年考えろ。ねぇ、お前って料理出来たっけ?」
プリンやケーキの入っている軽い方の袋を私に渡して、叶夜が笑った。

「・・・ふっ、もうこの歳だ」
それを聞いて叶夜が大きな声で笑う。
「何歳だよ」
「あはは」
少し前を歩いていた叶夜が振り返り、
「ん」
と私に手を差し出した。
「え?」
私が戸惑っていると叶夜は、私の持っている袋を奪った。
「持つ」
「大丈夫だよ、軽いし。それに、叶夜がもっと重くなっちゃうよ!」
「いいよ、女子なんだし」

何だろう。
いつもと違う。
いつもと扱いが違う。
学校では子豚とかからかって面白がってる癖に、急に扱い違うじゃん。
「あ、依恋は女子じゃないか」
叶夜は声を上げて笑った。
「・・・女の子だもん」
そう呟く私を見たのか、叶夜は優しく微笑んで、
「そっか女子だもんな」
私の髪をわしゃわしゃする。
「ちょっ」
すると叶夜がいきなり私に手を差し出す
「手繋ぐ?」
叶夜は私に顔を近付ける。
「・・・いい!」
絶対私の反応見て楽しんでる。
予想外の事をしてやろうと、叶夜の手を取る。
「やっぱ、繋ぐ」
「ん」

私達のこの関係は一体何なんだろう?
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