人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
俺の口上を聞いた上で。

それでも亡者どもはその進軍を止めぬ。

相も変わらぬ呪詛の声を吐きつつ、目前の俺へと迫ってくる。

「最早分別もつかぬか。ならば」

俺は攻城刀を一気に振り上げた。

「二之太刀不要(にのたちいらず)の薩摩示現流(さつまじげんりゅう)剣術、冥土の土産に持ち帰るがいい!!」

その重量だけでも相当な破壊力がある攻城刀を、大地を叩き割らんばかりの勢いで振り下ろす!

その一撃で。

百はいるかと思われた亡者の群れが斬られ、砕かれ、叩き潰された!

示現流はまさしく二之太刀不要。

全ての敵を一撃のみで屠る事を旨とする。

ましてや俺は、一度は霊体となってこの世に存在した魔道の世界の住人。

加えて蘭花の作り上げたこの人型も、人ならざる力を秘めているのであろう。

攻城刀の威力は、俺の生前のそれを遥かに上回っていた。





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