人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
大地に屍の山が築かれる。

俺はそれを一瞥しつつ。

「これで終わりか、娘」

木陰に身を潜める女に向かって言った。

…その声に応えるように。

「……」

一人の娘が姿を見せた。

おかっぱ頭。

黒のセーターに同じ色のロングスカート。

その瞳には亡者ども同様、生気は感じられぬ。

かといってこの娘は死者という訳ではなかろうが。

「…蘭花め…いつの間に貴方のような護衛を…」

悔しげに口走る娘。

俺は攻城刀を肩に担いだ。

「娘。先程の亡者どもをけしかけたのはお主か」

「……」

娘は黙りこくったまま、ただ俺を睨む。

まるで俺を呪い殺そうとするかのような、怨念こもった眼。

歳若いあのような娘が、そのような眼をするのは他人事ながら勿体無く思った。

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