人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
第四幕
翌朝。

…朝靄に煙る森林の中を、俺は唯一人佇んでいた。

静かに目を閉じ、精神を集中させる。

右手には攻城刀。

その刀を。

「…けぇええぇえぇいっ!!」

裂帛の気合と共に振りかざし、目前の大樹に向かって振るう!

超重兵器ではあるものの、俺の膂力にかかれば小刀の如く扱う事が出来る。

素早い振り下ろしの袈裟斬り!

あまりの素早さに若干の時間差があり。

…大樹はゆっくりと、滑り落ちるように枯れ葉の敷き詰められた地面に横倒れに倒れた。

「……」

コォォォ、と。

静かに息を吐き出し、俺は大地に浮かびあがった魔方陣の中に攻城刀を納める。

と。

「すごい剣捌きですね…」

背後から声が聞こえた。


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