人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
その声に。
蘭花と菊花は動きを止める。
…俺は蘭花と菊花、二人を交互に睨みつけた。
「この期に及んでまだ肉親同士で殺し合うのか。血を分けた姉妹で、何故命を奪い合う!?」
俺はまず蘭花を見た。
「蘭花、お前の妹はそこまで無能か?」
「え…?」
俺の言葉に蘭花は戸惑う。
「俺のこの肉体を造り上げた天才的な人形師であるお前の妹は、お前がそこまで過保護にせねばならぬほどの無能な娘なのか?たやすく闇に呑まれるほどの未熟者なのか?」
静かに蘭花に説いて聞かせる。
「愛する妹ならば、なぜ信じて見守ってやれぬ。妹の選んだ道を見守ってやるのも姉の務めではないのか。もし妹が道を踏み外し、外道へと堕ちてしまいそうなその時こそ、蘭花、お前の出番ではないのか…頭ごなしに何もかも否定する事が、最良とは言えぬであろう」
「…時貞様…」
俺の言葉に、蘭花は瞳を潤ませた。
蘭花と菊花は動きを止める。
…俺は蘭花と菊花、二人を交互に睨みつけた。
「この期に及んでまだ肉親同士で殺し合うのか。血を分けた姉妹で、何故命を奪い合う!?」
俺はまず蘭花を見た。
「蘭花、お前の妹はそこまで無能か?」
「え…?」
俺の言葉に蘭花は戸惑う。
「俺のこの肉体を造り上げた天才的な人形師であるお前の妹は、お前がそこまで過保護にせねばならぬほどの無能な娘なのか?たやすく闇に呑まれるほどの未熟者なのか?」
静かに蘭花に説いて聞かせる。
「愛する妹ならば、なぜ信じて見守ってやれぬ。妹の選んだ道を見守ってやるのも姉の務めではないのか。もし妹が道を踏み外し、外道へと堕ちてしまいそうなその時こそ、蘭花、お前の出番ではないのか…頭ごなしに何もかも否定する事が、最良とは言えぬであろう」
「…時貞様…」
俺の言葉に、蘭花は瞳を潤ませた。