人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
「して、他の者達は息災か?桜花や、修内太は…ジルコーとも、いずれまた手合わせせねばなるまいな」

「ええ、みんな元気よ。ジルコーにも伝えておくわ。きっと喜ぶだろうし」

そう言って四門メグはコートを羽織った。

「私はそろそろ帰るわ。蘭花と菊花をよろしくね。どうせ現世に留まるんでしょ?」

「どうせとは何だ」

少し憮然とする俺に。

「どっちも可愛いでしょ?蘭花と菊花」

四門メグは意味ありげに笑う。

「二股なんて武士道に反するわよ?早めに決めておきなさい?」

「無粋な」

俺はフンと鼻を鳴らした。

…軽く手を振って去っていく四門メグ。

それを見送った後、俺は澄み渡った空を見上げる。











姫、そちらに逝くのはもう少し後になりそうです。

もうしばらくお待ちくだされ。

俺は俺の使命を果たし、必ずやおそばに…。












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