今度会ったら何をしようか
朝比奈教授と別れた後、私は数年前の出来事を思い出す。あの時の出来事は、私に夢を抱かせてくれた。福祉の仕事をしてみたい、と。あの職員の優しくて暖かな笑顔が忘れられなかった。私が担任に助言を求めると、隣の市にある福祉科が有名なA大を進むといいと背中を押してもらったのだ。無事に入学し、念願の一人暮らしも始めた。私はボランティア募集中の貼り紙を見つけては参加していたが、さくら園と会うことは出来なかった。
「あの人、まだ働いているかな」
残りの講義を終えアパートに戻った私は、そっと呟く。もう一度会いたい。あの人からいろいろな事を学んでみたい。私は熱心になって計画書を書き始めた。どうか、さくら園での実習希望が通りますようにと願いながら。
次の日、突然の休講連絡が入った。今日は一日体が空く。アパートに閉じこもるには勿体無い陽気に誘われるように、身支度を整え、外に出た。そうだ、さくら園の側まで行ってみよう。もしこのまま行けば事前打ち合わせで訪れる事になるし、経路も確認しなくてはならない。少々気が早いとも思うけど。
私は久しぶりに車のキーを手にし、感覚を取り戻すように車を走らせた。確か、高校からそれほど遠い場所ではなかったはず。まず母校を目指し、近くのスーパーに一旦入る。携帯でそこからさくら園を調べようとした時だった。スーパーの入口で何人かの人が買い物をしているのが目に入った。もしかして、と淡い期待を抱きつつ、様子を伺う。
間違いない、あの人だ。
利用者さんと笑顔で接客する彼は、以前に会った時と変わらずあのままだ。
私は緊張しながら、車を出る。その時、他の職員が利用者さんを連れてスーパーに入る。ドキドキした気持ちを抑えながら、私はテントに近付く。
「あの人、まだ働いているかな」
残りの講義を終えアパートに戻った私は、そっと呟く。もう一度会いたい。あの人からいろいろな事を学んでみたい。私は熱心になって計画書を書き始めた。どうか、さくら園での実習希望が通りますようにと願いながら。
次の日、突然の休講連絡が入った。今日は一日体が空く。アパートに閉じこもるには勿体無い陽気に誘われるように、身支度を整え、外に出た。そうだ、さくら園の側まで行ってみよう。もしこのまま行けば事前打ち合わせで訪れる事になるし、経路も確認しなくてはならない。少々気が早いとも思うけど。
私は久しぶりに車のキーを手にし、感覚を取り戻すように車を走らせた。確か、高校からそれほど遠い場所ではなかったはず。まず母校を目指し、近くのスーパーに一旦入る。携帯でそこからさくら園を調べようとした時だった。スーパーの入口で何人かの人が買い物をしているのが目に入った。もしかして、と淡い期待を抱きつつ、様子を伺う。
間違いない、あの人だ。
利用者さんと笑顔で接客する彼は、以前に会った時と変わらずあのままだ。
私は緊張しながら、車を出る。その時、他の職員が利用者さんを連れてスーパーに入る。ドキドキした気持ちを抑えながら、私はテントに近付く。