今度会ったら何をしようか
一分ほどでメロディが途切れ
「お電話代わりました。担当の穂波です」
男性が電話に出た。改めて自己紹介をすると
「園長から聞いていますよ。事前打ち合わせのことですよね」
と、明るいトーンで返事が返ってくる。どこかで聞いたことのある声。もしかして、まさか。
「えっと、あの、はい。それで来月の初め頃にお伺いしたいのですが」
「分かりました。午前中でも大丈夫ですか?午後はもしかしたら私がいないかもしれないので」
「はい、大丈夫です」
答えながら確信する。この声、やっぱりあの人だ。やわらかくてずっと聞いていたい優しい声。
「それでは、お待ちしております」
一通り日程の調整や持ち物の確認をすると、あの人 一穂波さん一 はそう言う。相変わらず、ドキドキは止まらなかったが
「あの、よろしくお願いします」
と私も答える。一瞬だけ、穂波さんが黙る。わずかな時間だったと思うが、すぐに
「気をつけて来てくださいね」
そんなやり取りをして私達は電話を終えた。
まさか、本当に私の担当があの人だったなんて。穂波さん、っていうんだ。
なんだか夢の中のような高揚感にくらくらする。そんな気持ちも、講義終了のチャイムによってかき消され、私はいそいそと次の講義室に向かう。この後は苦手な社会保障の講義だ。あの教授、ちょっと苦手なんだよなぁと思いながらも、足取りは軽やかだ。もちろん、その後の講義中も穂波さんの声を思い出しては、ひっそり笑う羽目になる。
夢なら覚めませんように。
「お電話代わりました。担当の穂波です」
男性が電話に出た。改めて自己紹介をすると
「園長から聞いていますよ。事前打ち合わせのことですよね」
と、明るいトーンで返事が返ってくる。どこかで聞いたことのある声。もしかして、まさか。
「えっと、あの、はい。それで来月の初め頃にお伺いしたいのですが」
「分かりました。午前中でも大丈夫ですか?午後はもしかしたら私がいないかもしれないので」
「はい、大丈夫です」
答えながら確信する。この声、やっぱりあの人だ。やわらかくてずっと聞いていたい優しい声。
「それでは、お待ちしております」
一通り日程の調整や持ち物の確認をすると、あの人 一穂波さん一 はそう言う。相変わらず、ドキドキは止まらなかったが
「あの、よろしくお願いします」
と私も答える。一瞬だけ、穂波さんが黙る。わずかな時間だったと思うが、すぐに
「気をつけて来てくださいね」
そんなやり取りをして私達は電話を終えた。
まさか、本当に私の担当があの人だったなんて。穂波さん、っていうんだ。
なんだか夢の中のような高揚感にくらくらする。そんな気持ちも、講義終了のチャイムによってかき消され、私はいそいそと次の講義室に向かう。この後は苦手な社会保障の講義だ。あの教授、ちょっと苦手なんだよなぁと思いながらも、足取りは軽やかだ。もちろん、その後の講義中も穂波さんの声を思い出しては、ひっそり笑う羽目になる。
夢なら覚めませんように。