今度会ったら何をしようか
事前打ち合わせを終えた後は、もう一度教授に相談しに行ったり、いつも通り講義を受ける毎日が続いた。相変わらず、私はいつも一人ぼっちだった。入学したての頃はあるグループの一人だったが、どの子も影でグループ内の子の悪口を言い合っているのを聞いた時に、自然と距離を置いていた。きっと私も誰かに陰口をされていて、きっと私の色んなこともグループ内で共有していたのだろう。なんとなく、女同士の馴れ合いというものに嫌気がさしていた。一人になった私を誘う人もいなかったし、気にする様子もなかった。それで良かった。私は一人きりの方がむしろ楽なのだと思う。
福祉法の講義を終えた私は、携帯を開く。次の講義までまだ時間がある事を確認し、早めの昼食をとることにした。お弁当はあるけれど、温かい飲み物も欲しい。学食横の購買に行って、何か買おう。その後は学食を通り過ぎて、どこか誰もいない講義室に行かなくては。
買い物を終えた私は空き教室に入ると、冷たいお弁当を開け、固くなった卵焼きを口に運ぶ。今日の出来栄えは60点くらい。巻きがゆるい感じ。そんな事を考えながら、頭の中では穂波さんに会いたくて仕方がない。早く、一日が過ぎますように。一週間が過ぎますように。一ヶ月が過ぎますように。実習まであと一ヶ月と少し。他の学生が「マジ実習面倒臭い」という声も私には気にならない。早く、早く、早く。このつまらない毎日が過ぎていきますように。
祈るような気持ちで、実習の日を待つのであった。