キミに嘘を吐く日

「見ないから。今みたいにここで寝てるからさだから、そこで読めば?」

「はい?」

「俺ら、まだクラスメイトだろ?そんな相手に避けられると結構傷つく」

「は?避けて……」

「るだろ?避けてるからここに来なかった。……違う?何か用事があった?」


責めるような口調に驚いて即答できず、「ほらな」と答えを決められてしまう。

まぁ、避けていなかったといえば嘘になるけれど。


「宇野くんって変な人」

「何回目だろう、御門さんにそんな風に言われるの」

「だって、本当に変な人だもの」

「まぁ、いいけど。とにかくそこに座ったら。地味に目立ってるよ、俺ら」


宇野くんの言葉に周囲を見回すと、宇野くんのことを教えてくれた職員の女性や、近くにいた学生や年配の人がこちらを気にしているのが見えた。

急に恥ずかしくなって言われるまま、宇野くんの前に座る。


「邪魔しないからさ。俺もここで寝るの結構気持ちよくて好きなんだ。だから、気にせず読んでよ」


いいとも悪いとも言わないうちに、宇野くんは寝入ってしまった。

ここは図書館であって、お昼寝をする場所じゃないと、そんな言葉をかける間も無く。



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