キミに嘘を吐く日
five color
◇
「いろは、今日から新学期でしょう?遅刻しないように早く出なさいよ」
母の急かす声を背に、私は既に玄関で靴を履いていた。
分かってる。
言われなくても今日は早く行くつもりだった。
だって、早く会いたいから。
宇野くんに。
会いたいよ。
そして聞きたい。
どうしてあの日以来会えなくなったのか、連絡すら取れなくなってしまったのか。
今すぐ聞きたくて仕方ない。
あの日、水族館のあと家の近くまで宇野くんは私を送ってくれた。
翌々日の図書ボランティアの日に会う約束までした。
それなのに、彼は姿を現さなかった。
春休みの間、図書ボランティアには一度も来ずに、館長から「宇野くんからは既にボランティアをやめることは聞いていた」と後になって私は聞かされた。
RINEも既読もつかない。
電話は全て留守番電話に繋がってしまう。
もしかしたら、私はあの日宇野くんに嫌われることをしてしまったんだろうか?
好きだと言ってもらって、有頂天になって彼を傷つけてしまったんだろうか?
いくら考えても分からなかった。
それでも私は諦めていなかった。
新学期になれば、学校できっと会えると思っていた。
「いろは、今日から新学期でしょう?遅刻しないように早く出なさいよ」
母の急かす声を背に、私は既に玄関で靴を履いていた。
分かってる。
言われなくても今日は早く行くつもりだった。
だって、早く会いたいから。
宇野くんに。
会いたいよ。
そして聞きたい。
どうしてあの日以来会えなくなったのか、連絡すら取れなくなってしまったのか。
今すぐ聞きたくて仕方ない。
あの日、水族館のあと家の近くまで宇野くんは私を送ってくれた。
翌々日の図書ボランティアの日に会う約束までした。
それなのに、彼は姿を現さなかった。
春休みの間、図書ボランティアには一度も来ずに、館長から「宇野くんからは既にボランティアをやめることは聞いていた」と後になって私は聞かされた。
RINEも既読もつかない。
電話は全て留守番電話に繋がってしまう。
もしかしたら、私はあの日宇野くんに嫌われることをしてしまったんだろうか?
好きだと言ってもらって、有頂天になって彼を傷つけてしまったんだろうか?
いくら考えても分からなかった。
それでも私は諦めていなかった。
新学期になれば、学校できっと会えると思っていた。