キミに嘘を吐く日
始業式の日から1週間が経った。

高田くんと話をしたいのに、彼に近づこうとすると、かなりあからさまに避けられてしまう。

素気無い高田くんの態度に見兼ねて、市原さんが彼に声をかけてくれるけれど、用件が私のことだと分かると途端に不機嫌になってしまって取りつく島もない。


「かなり根が深そうなんだよね」

「そう、ですか……」


お昼時お弁当を広げる高田くんに再度チャレンジと声をかけたところ無視たところに、市原さんが声をかけてきてくれた。


「御門さんさ、お昼まだでしょ？こっちおいでよ」

「あ、はい」


市原さんに誘われるままついていくと、女子が机を寄せ合ってランチの準備を始めていた。


「理系って女子少ないんだよね。だから、できれば仲良くしたいじゃない？だから御門さんにも声かけたかったんだけど、高田のことしか目に入ってないみたいだし、高田は訳も話さず毛嫌いしてるからさ……」

「イチ、やっと御門さん誘えたんだ」


席に近付くと髪をアップにした快活そうな女子が声をかけてきた。


「うん、今日からランチ一緒するから……御門さんもいいでしょ？」

「え、あ、うん。お邪魔します」


まさか一緒に食べようと誘われるとは思わなかったから正直驚いた。


< 50 / 112 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop