キミに嘘を吐く日
seven color


ゴールデンウィーク初日は晴天に恵まれた。

家の前で茶原さんがワンボックスカー出迎えに来てくれた。

運転席に乗っていたのは、なんと図書ボランティアでお世話になっている森さんで、なんでも茶原さんとは付き合って5年と言う関係なんだそうだ。

茶原さんと森さんが車から降りて、うちの両親に挨拶をしてくれているのを見ながら車のドアを開ける。


「おはよう!」

「おす!」


既に車に乗っていた市原さんと高田くんのテンションの高い出迎えに面食らった。


「お、おはよう」


高田くんが一度車から降りてくれて、私を奥に乗せてくれて市原さんと並んで座った。


「え、と。ふたりなんだか上機嫌だね」

「は?べ、別に変わらねーだろ」


何故か顔を赤く染めた高田くんが、明後日の方向を向いてしまった。

説明してくれる気がないらしい。

不思議に思って市原さんを見れば、照れ笑いをしながら教えてくれた。


「この前、告白した」

「えっ?も、もう?」


頑張ろうと励ましあったのはまだ数週間前だ。

こんなに早く行動に移すなんて思ってなかったよ。


「市原さん、スゴイ、カッコイイ!」


感動のあまり思わずウルウルしてしまう。


「なんかね、急に込み上げてきたのよ」

「へ?」

「先週放課後残って、担任に頼まれた資料まとめてたの。高田が来て旅行の話になってさ。いろはと宇野がうまくいくといいねって話してたらさ、急に私だって2人に負けないくらい高田のこと好きなのになって思って……気付いたら口から出てたの『高田のこと好きなんだけど』って」

「……」

「高田、めっさ驚いた顔するから、あー、これ振られるパターンかなって、かなり落ちたら、……っうぶっ!」


市原さんが蕩けそうな顔をして話すその口を、いきなり高田くんが自身の大きな手で塞いでしまった。

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