キミに嘘を吐く日
「やっぱり私はいいよ。高田くんと市原さんと一緒に行ったらいいよ。あ、茶原さん達も来てるから誘ってみるといいよ」

「あ、そか。カップルばっかりだもんな。じゃあ、俺の友達一人つれてくるから。な?行こう」

俺の友達……?宇野くんの友達と私が一緒に回るの?ツーショットになるの?

私が他の人と二人きりになっても……。

やめよう。考えれば考えるほど胸が苦しくなる。

宇野くんにとって私はただの元クラスメートでしかないんだから。


「……分かった」


半ばやけくそな気持ちで返事をした。

それでも宇野くんはなんだか嬉しそうに笑っている。

なんて残酷なんだろう。

今すぐにでも宇野くんから離れたかった。そんな私の気持ちが届いたのか、その時RINEの着信が入った。

戻ると返信してからなかなか戻らない私を心配してくれた茶原さんからのものだった。


「茶原さん達が待ってるから戻らないと……」

「じゃあ、茶原さん達によろしく。明日会えるのを楽しみにしてるって」

「ん」


ちゃんと返事もできないまま去っていく宇野くんの背中をぼんやりと見送った。

明日のことを考えると気が重い。

宇野くんが何を考えているかも分からないし、どうして宇野くんの彼女と一緒に遊びに行かなきゃいけないのかも。

分からないことだらけだ。


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