キミに嘘を吐く日
eight color
◇
「本当に行くの?」
ホテルの部屋で市原さんと茶原さんから聞かれて小さく頷いた。
だって行くって約束しちゃったし、今更私が行かなかったら皆にだって気を遣わせる。
「宇野くん、高田くん達にも茶原さん達にも会えるの楽しみにしてたし、私も水族館好きだし……だから、行くよ」
「いろは、本当にいいの?」
「へへへ、大丈夫だよ。以外と私タフみたい」
宇野くんに失恋したけれど、昨夜の料理だって、今朝の朝食バイキングだって美味しくいただけた。
私、宇野くんに振られたらきっとなにも喉を通らなくなって、何をする気も起こらなくなるって思ってた。
でも、普通にできている自分に自分が驚いている。
昨夜布団の中でずっと考えていた。
あの日の宇野くんの告白が宇野くんが吐いた嘘だとしても、私の気持ちにはなんの変わりもなくて、今この瞬間だって宇野くんのことが好き。
大好きな宇野くんが、新しい場所で元気に過ごしていてくれたことはなにより嬉しいことだし、宇野くんが本当に好きになった子と付き合えているなら、それはとても喜ぶべきことだって。
そう思うようにした。
……思うようにしたんだ。
「宇野くん、一体なに考えてるんだろうね」
「アイツはなにも考えてないのよ。最低なヤツなのよ」
市原さんや茶原さんが、私のために怒ってくれている。その気持ちが嬉しかった。
今私がこうして穏やかな気持ちでいられる理由のひとつでもあった。
「本当に行くの?」
ホテルの部屋で市原さんと茶原さんから聞かれて小さく頷いた。
だって行くって約束しちゃったし、今更私が行かなかったら皆にだって気を遣わせる。
「宇野くん、高田くん達にも茶原さん達にも会えるの楽しみにしてたし、私も水族館好きだし……だから、行くよ」
「いろは、本当にいいの?」
「へへへ、大丈夫だよ。以外と私タフみたい」
宇野くんに失恋したけれど、昨夜の料理だって、今朝の朝食バイキングだって美味しくいただけた。
私、宇野くんに振られたらきっとなにも喉を通らなくなって、何をする気も起こらなくなるって思ってた。
でも、普通にできている自分に自分が驚いている。
昨夜布団の中でずっと考えていた。
あの日の宇野くんの告白が宇野くんが吐いた嘘だとしても、私の気持ちにはなんの変わりもなくて、今この瞬間だって宇野くんのことが好き。
大好きな宇野くんが、新しい場所で元気に過ごしていてくれたことはなにより嬉しいことだし、宇野くんが本当に好きになった子と付き合えているなら、それはとても喜ぶべきことだって。
そう思うようにした。
……思うようにしたんだ。
「宇野くん、一体なに考えてるんだろうね」
「アイツはなにも考えてないのよ。最低なヤツなのよ」
市原さんや茶原さんが、私のために怒ってくれている。その気持ちが嬉しかった。
今私がこうして穏やかな気持ちでいられる理由のひとつでもあった。