4時20分に教室で。
第一章
一つの出来事
誰もいなくなった放課後の教室。
窓に薄っすら映るあたしを見て、ふと思う。
あの頃より、伸びた髪に、違う制服。
今は変わった自分が前に映ってるのに、君に想う気持ちは全然変わってなくて。
変わらないなってなぜか安心して。
あたしは空を見上げた。
窓から見える空はいつもとは少し違って、いつもより綺麗に見えて。
でも、空を見るたびにいつも君を思い出す。
苦しくて辛くて泣きたくなるのに、君を想ってないと嫌で。
いつも君を想って、そして後悔する。
思ってたことを言えてたらどれだけ幸せだったのかなって。
ずっと、此処にない幸せに縋り付いて馬鹿みたい。
もう君がいないことなんて、分かってるはずなのに。
君に幸せを求める自分が嫌いだ。