私、悪女になります
プロローグ
お姉ちゃんは、美人だ。
美人で、優しくて、誰にだって愛される。
それが、天野香澄(あまのかすみ)、私のお姉ちゃんだ。


「ほんと、香澄は美人ね」
「香澄ちゃんって綺麗で、性格もよくて、完璧だよね!」
「私も、香澄さんみたいになれたらなあ…」


皆が、お姉ちゃんに憧れる。
妹である私だってそうだ。
何度望んだだろう。
お姉ちゃんのようになれたらと。

家族にも、友達にも、恋人にさえも姉と比べられてきた。
その度に、皆言うのだ。


お姉ちゃんの方が綺麗だね、と
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