夢のなかの彼女
第二章「記憶のなかの左腕」
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幼馴染みの男女によくある話といえば、学年が上がるにつれ疎遠になっていくことではないのかなと僕は思う。掻く言う僕自身はそれの代名詞みたいなものだ。
僕らは年齢を重ねる度に、少しずつ疎遠になっていった。
小学校高学年になってからは一緒にいることはおろか話すことさえ僕からは一切しなくなったのだ。
男友達といるほうが、楽だ。
女は、面倒くさい。
最初こそやまもんは、そんな僕の態度に戸惑っていたり、しつこく話しかけてきたりもしたが、やがてそれをしなくなった。
さらに時間は過ぎ、中学に上がる頃には、僕らは一言も会話をしなくなっていた。かといって僕は別段気にしてはいなかったし、寧ろこれでいい、せいせいしたとさえ思っていた。当然あのことも忘れてしまっていた。『大切な約束』を、忘れてしまっていた。
そして、中学二年の五月半ば。僕は僕が犯した一度目の裏切りに気づくのだった。
幼馴染みの男女によくある話といえば、学年が上がるにつれ疎遠になっていくことではないのかなと僕は思う。掻く言う僕自身はそれの代名詞みたいなものだ。
僕らは年齢を重ねる度に、少しずつ疎遠になっていった。
小学校高学年になってからは一緒にいることはおろか話すことさえ僕からは一切しなくなったのだ。
男友達といるほうが、楽だ。
女は、面倒くさい。
最初こそやまもんは、そんな僕の態度に戸惑っていたり、しつこく話しかけてきたりもしたが、やがてそれをしなくなった。
さらに時間は過ぎ、中学に上がる頃には、僕らは一言も会話をしなくなっていた。かといって僕は別段気にしてはいなかったし、寧ろこれでいい、せいせいしたとさえ思っていた。当然あのことも忘れてしまっていた。『大切な約束』を、忘れてしまっていた。
そして、中学二年の五月半ば。僕は僕が犯した一度目の裏切りに気づくのだった。