ひとりぼっち
「幸也ぁ。椿沙が呼んでるよぉーっ」

『いやっ…!違う幸也!』

「黙れば?裏切者」


琴乃はそう言って教室に戻って行く。


「呼んだって?椿沙」

『幸也………あの…』

「なんか用?用ないなら戻るぞー?」


椿沙は唇を噛み締めた。

今にも泣き出してしまいそうだ。


「…おーい椿沙?どーしたんだよ」

『…ふぇっ………』


幸也の優しい眼差しに思わず涙が出てしまう。


「…椿沙?」

『ふ……えぇぇぇん……来んなよバカぁぁ……』
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