ひとりぼっち
「え!?ごめん…俺なんかした?」


幸也は小学生のくせに気のきいた高校生のような発言ばかりした。

それが人気の秘密でもあるのだろう。


『…ぐすっ………違う……ごめんなさい……』

「大丈夫かよ?どーしたんだよ、椿沙…」

『…何でもないよ…ごめんね?泣いたりして…じゃあ…』

「え!?ちょ……………」


椿沙は冷たい目で見られることを覚悟して教室に入った。

愛歌はそれに付いていくように走った。

教室には琴乃とその回りを取り囲む女子がいる。

椿沙に降りかかる視線が痛かった。


「ねーえ美嘉ぁ、どー思ぅ?」


明らかにそれは椿沙のことだ。

椿沙は自分がいじめの対象になることを理解した。
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