ひとりぼっち
私は琴乃が来るまでの時間、そわそわしっぱなしだった。


よりによって琴乃…
ほんとついてな~い


私の鼓動は高鳴るばかりで静まろうとしない。

回りの雑音も全て自分の鼓動の音にかき消されそうだ。

こんなに緊張したのは何年ぶりだろうか。

全校集会のピアノよりも緊張する。

「かっこいい人いるかなー」「担任誰だろー」などと、期待混じりな会話が聞こえてくる。

私にはそんな話をする余裕もない。

琴乃が来るまでも、来てからも地獄。

愛歌なんかより、琴乃がいるほうが地獄。

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