ひとりぼっち
「っもぉ~…大丈夫じゃないじゃんよぉ~…ごめんね?」

『いやいや、まじっ…へーき……っ…』


なんだろう。

本当にたいしたことないのに。

咳が止まらなくなる。

私はちょっと不安になったが、ただの風邪だろう、と軽く促した。


「そっかなぁ…大丈夫そうに見えないんだけど…」

『へーきへーき!!!うん、もー大丈夫』

「まぁ…よかった」


加奈はホッとしたのか顔が緩んだ。

目尻が下がり、口の骨格がほんの少し上がる。

すごく、可愛らしい笑顔。
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