ひとりぼっち
『可愛~なこのっ』


私はさっきの仕返しに、加奈の後ろに回り首に腕を回した。

そして軽く首を締める仕草をする。


「ひ…やぁ……椿沙ぁ…!?」

『仕返しよんっ』

「う……苦し~~」


加奈は足をバタバタさせた。

私は首に回した腕を、ちょっとだけ緩める。

そして背中に飛び付くように抱きついた。


『ひゃひゃひゃっ。ざまあみろっ』

「もー、ばかぁっ」


私と加奈は廊下ではしゃいだ。

他のどの人達よりも騒いだかもしれない。

幸せだった。

こんな平凡な日々が。
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