ひとりぼっち

―2―

『やばっ、チャイム鳴った』

「うわっ!!誰もいねー!」

『げ、まじかよ…早く戻ろ!?また後でね』

「うん!ばい!」


私達は別れを告げ、お互いの教室に戻った。

案の定、私の前の席には琴乃。

顔を下に向けながら席に向かった。


「あっ、ツバキサちゃん!」


あの子だ…
名前…教えてなかったっけ


『ツバサ、だよ』

「あ、まじ?可愛いー!」


口を大きく開け、驚いた顔をしたその表情はまさに加奈そっくりだ。

私はその顔に弱い。
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