ひとりぼっち
―1―
ちらちらと力無く舞う、ほんのりピンク色に色付いた花びら。

まだ昼前なのに溌剌と照る太陽が、心地いい。

しかしまだ少し肌寒く、散らばっている人達は皆 厚着をしていた。


『寒い…』


そう呟いた小柄で可愛らしい少女。

濃い栗色をしたさらさらの髪の毛。

一重なのに目は丸く、ぱっちりとして澄んでいる。

薄くほんのり甘いピンク色に染まった唇。


少女の名は、

神崎 椿沙―――
< 4 / 70 >

この作品をシェア

pagetop