ひとりぼっち
話し掛けてきたのは琴乃ではなく、彩だった。


「ぼ~っとしてるからさぁ~」

『あ、あぁ…考え事!』

「ふ~ん?悩み?」

『んー、そうではないよ』


半分悩みだが、彩はまだ知り合ったばかりだし、悩みを相談できるほど信頼もしていない。

琴乃のことを話すのはまだ早いと思った。

加奈に話したのだって、なんだかんだ小学校終わりの時期だった。

あの事件以来、私は本当に誰にも心を開かなくなった。

自分でもばかだと思う。

あんなことくらいで…


あんなこと…?

本当にあんなこと…?
< 40 / 70 >

この作品をシェア

pagetop